退去費用の「言い値」、払う前に知っておくべきこと
退去時の敷金、言われた通りに払ってない?実はそれ、払い過ぎてるかもしれませんよ。
「原状回復」の罠
初めて日本でアパートを借りて、退去する時。不動産会社から15万円の請求書が届いて、血の気が引きました。「ハウスクリーニング代、壁紙の全面張替え、床の傷の修復…」と。敷金10万円は全額没収、さらに5万円の追い金です。
ほとんどの人がここで「仕方ないか」と思って払ってしまいます。だって「原状回復義務」って契約書に書いてありますからね。でも、この「原状回復」っていう言葉が、実は大きな誤解を生んでいるんです。
なぜ払わなくていいのか
国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものがあります。要は、これが国のお墨付きのルール。そこにはハッキリと「普通に使っていて古くなったり、汚れたりした分(通常損耗・経年劣化)は、家賃に含まれているので、修理代を払うのは大家さん側」と書いてあるんです。
例えば、家具を置いた跡で床がへこんだり、太陽の光で壁紙が黄色くなったりするのは「通常損耗」。あなたがわざとやったことじゃない。だから、あなたが払う必要はない。あなたが払うべきなのは、タバコのヤニで壁が真っ黄っかになったとか、飲み物をこぼしてシミを作ったまま放置したとか、そういう「あなたのせいで」発生した損耗だけです。
特に壁紙は、6年住むと価値がほぼ「1円」になる、と会計上決められています。だから、たとえあなたが少し汚してしまっても、6年以上住んでいれば、張替え費用のほとんどを払う義務はないんです。知ってました?
じゃあ、どうすれば?
まず、請求書を見てパニックにならないこと。そして、すぐにサインしないこと。深呼吸して、こう切り出します。「精算明細書をいただけますか?国土交通省のガイドラインと照らし合わせて確認したいので。」
この一言で、相手の態度は結構変わります。彼らは「外国人は知らないだろう」と高をくくっている場合が多いから。明細を見ながら、「この壁紙の日焼けは経年劣化ですよね?」「この床の傷は、通常損耗の範囲内かと思いますが」と、一つ一つ冷静に指摘していく。
それでも相手が折れない場合は、「では、一度消費者センターに相談してみます」と伝えてみてください。多くの場合、ここで折れて、請求額が大幅に下がります。僕の場合、最終的に払ったのは、自分で壊したドアノブの修理代3万円だけでした。12万円も得した気分でしたね。
これを「ゴネ得」だと言う人もいるかもしれません。でも、これはゴネてるんじゃなくて、単に自分の正当な権利を主張しているだけ。知っているかどうかで、何万円も変わってくる世界なんです。
